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本の紹介 2019−8 劣化するオッサン社会の処方箋 (山口周)

この本はいつもお世話になる経営コンサル会社クオリア・グローバル・マネージメント(QGM)の渡辺さんからお歳暮でいただきました。以前紹介した『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」の著者山口周さんの本なので興味深く読みました。オッサンの私としてはあまり読みたくないタイトルでしたが、読むうちにすごく納得でき、自分の生き方に自信が持てるようになりました。

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共感した点を少しあげます。

オッサンはなぜ重宝がられたのか?それは変化が少なく情報の不足した時代にオッサンの経験からくる知識を皆が参考にしたからです。しかし今はどうでしょう。変化がものすごく早く、過去の経験が活かされない、インターネットにより誰でも多くの情報を得ることができます。こんな時代になってしまったのです。そうなれば当然昔のような長老の知恵は必要なくなり、未知数の将来に対する感性だけが頼りになってきて、それは若者の方が優れている・・・、こんな事になるのです。その辺りを流動性知能(推論・思考・暗記・計算など受験に用いられる知恵で分析に基づく問題解決型の基礎となる知能)と結晶性知能(知識や知恵、判断力など経験とともに蓄積される知能)の二つに分けて説明されており、流動性知能は20歳を過ぎると劣化し始めるのに対し、結晶性知能は年齢とともに増え続けるので、過去は重宝されていたことを論理的に説明されています。そして現在の社会では変化が早く、結晶性知能がその変化に機能できなくなってきたことも。

それではオッサンはどうしたらいいか。それは劣化しない結晶性知能を身に付けること、すなわち知識や知恵を教養まで高めることです。そして経験の質を高めることが重要の様です。それを説明するために二つの印象的な言葉を引用しています。

人が最も変化しやすいのは、新たな経験と自身が持つ既存の理論がぶつかる時

わかるということは、それによって自身が変わる時

同じことを繰り返すのは経験ではない。経験とは常に新しい築きへの契機であり良質な体験が重要とのこと。そのために人生のアジェンダを明確にしそれをクリアにするために日々学習を続けることが重要。残された時間を何に使っていくのかを明確にし、不要なものを捨てる、すなわち何かを止めることが最も重要。

多くのことを学んだ一冊でした。

私のように還暦間近で時間も限られている人は、是非読むべきです。

残された時間がいかに重要で、どのように生きるべきかを考えさせられる本でした。

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