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5月の読書

6月3日(金)
5月はたった1冊しか読めておりません。
1.競争と公平感  大竹 文雄
競争の是非についていろんな角度で書かれている本です。
私はいつも日本の公平感に疑問を持っています。
これは若いころにお客様に言われた言葉が私の考えに大きく影響を与えているからです。
そのお客さんは、会社に入りたての私にタイルの価格に対する公平について以下のように述べたのです。
「林君、公平とは同じ価格のことじゃないよ。たくさん売る人、リスクを持った人、努力をした人などが何もしない人と比べて安く仕入れられることが公平な価格なんだよ」
若い私には意味が分からず、このお客さんは欲が深い付き合いにくい客だと考えていました。
しかししばらくたってその意味は分かり、
公平とは不公平なことなんだ、と考えるようになりました。
ビジネスの世界の公平感は市場が影響力を持ち、競争を前提に価値が決められているのに、政治が絡む所では多くは市場の原理が働いていない。競争はできるだけ避け、格差は罪であるとの考え方が多くを占めていると思います。これは弱者も1票、強者も1票という選挙の仕組みに問題があるのではないかと思います。
この本の書き出しは
「市場による自由競争によって効率性を高め、貧困問題はセーフティーネットによる所得再分配で解決することが望ましい」
これはどんな経済の教科書にも書いてあることなのに日本人の常識ではない
という文章から始まっています。
韓国、シンガポール、中国など最近伸びているアジアの国々はこの考え方のもとに富める者が富み国の成長に貢献していると思います。
これらの国々といまの日本の考え方がぶつかったとき、日本が衰退することは避けられないのではないかと思います。公平感とは何か?
あらためて考えさせられた1冊でした。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書) 競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)
(2010/03)
大竹 文雄

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